治療について
からだの症状(サイン)を見逃さず、早めの受診と治療が「鍵」
脳や神経の代表的な病気とその治療についてご紹介します。脳や神経機能の病気は多岐にわたり、日常で起こるごくありふれた症状(サイン)から始まります。お気軽に受診・ご相談ください。
脳と神経・脊髄のはたらき
人間のからだを形づくる細胞は、いくつかのブロックに分かれて、呼吸、循環、消化、代謝などのはたらきを分担しています。この細胞には「神経系(しんけいけい)」といわれる機構が備わり、状況に応じて全体のはたらきをコントロールしています。神経系のなかで、脳と脊髄を「中枢神経(ちゅうすうしんけい)」といい、からだの隅々から送られてくる情報を受け、それに応じて指令を出しています。
脳は大脳・小脳・脳幹(のうかん)の3つに大きく分けることができます。大脳はでは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、運動や感覚、言語など特定の部位が特定の機能を担っています。脊髄は、細長く伸びた脳の突起(延長)といえる部分で、全体が脊椎(せきつい)にかこまれて保護され、脳からの指令をからだ全体に伝えるための大きなバイパス(神経管)が通っています。
この脳や脊髄の経路上に障害が発生すると、からだのさまざまな部分が影響を受け、日常生活に支障をきたすことになります。
「頭痛」と「痛み」「しびれ」
脳・神経の障害のサインとして日常生活上とくに支障をきたすのが「頭痛」と「痛み」です。
頭痛は、現在日本人の約3割が日常的に悩まされているといいます。頭痛にはいろいろな種類があり、片頭痛、緊張性頭痛、神経痛、群発性頭痛などがあり、頭痛の種類によって治療法も異なります。また頭痛には脳卒中や脳腫瘍、髄膜炎(ずいまくえん)、脳脊髄液減少症などの病気が隠れている場合や、くすりや食品による頭痛の誘発もあります。
痛みは「ビリビリ」「ジンジン」「チクチク」といった腕や手にしびれを伴うものや、お尻から足にかけての疼痛(とうつう・痛みやしびれ)があります。さまざまな原因によって、神経が異常な興奮をすることで起こる疼痛は「神経障害性疼痛」と呼ばれますが、疼痛は腰・首・背中におこる場合(坐骨神経痛や腰痛など)と、手や足など背骨から離れたところにおこる場合があります。
腰・首・背中に疼痛が起こる原因には、背骨そのものがつぶれたり、がたついたりしている場合や、骨の中を通る末梢神経や脊髄がつぶれている場合もあり、原因も異なります。また、帯状疱疹後神経痛、糖尿病神経障害などといった内臓の疾患から疼痛を誘発するものがあります。
いずれも痛みも最後に感じているのは脳ですが、どこかで「情報」を脳に伝える神経がはたらいて「痛み」という感覚を脳に引き起こしていることになります。ただ、その神経の活動がどこでどういう理由で起こるかによって痛みの性格も治療の方法も違ってきます。
この疼痛に関して、おおいし脳・神経リハクリニックでは電気刺激治療(圧力波治療)を行い、痛みを緩和することもできます。
ショックマスター(圧力波治療器)
ショックマスター(圧力波治療器)は、体の外から患部に拡散型の圧力波をあてる治療器で、
癒着して硬くなった筋組織を衝撃波でほぐしていく治療器です。エコーなどで筋肉の硬さ・コリなどを測定し、部位や治療方針を特定した上で治療に用います。肩こりや腰痛・頭痛・首痛・ムチ打ちのほか、四十肩や五十肩にも効果的です。
神経痛や麻痺からの疼痛は、手術などの外科的治療だけでは完全に取り除けない場合もあります。(他院による)外科的治療と電気刺激治療との組み合わせにより、効果的な治療を行います。
もの忘れと「認知症」
もの忘れがひどくなった…おおいし脳・神経リハクリニックでは、その「もの忘れ」が年齢によるものなのか、病的なものなのかの診断を行っています。もの忘れのなかには「認知症」と診断されるものもあります。とくに代表的疾患であるアルツハイマー型認知症の場合は、脳に病理組織的な変化(海馬の萎縮※注など)が起こり、認知症が発症する前から進行しています。痴ほう症状の進行を遅らせるためにも、早期診断と早期治療が重要です。
認知症の診断には高次脳機能を調べる知能検査や、ほかの病気との関わりを調べる血液検査、脳脊髄液検査などがあり、とくにMRIを用いた海馬の萎縮の有無の評価が重要です。
※海馬の萎縮:海馬とはタツノオトシゴに似た脳の部位のひとつで、短期の記憶を司っています。アルツハイマー型認知症の場合は、他の部位と比較すると海馬が早期から萎縮することが知られています。
脳梗塞(脳卒中)
脳梗塞(脳卒中)は、脳血管が破れたり、詰まったりすることで起きる循環障害により、突然手足のまひやしびれ、ろれつが困難になる等の症状が起こる病気です。おおいし脳・神経リハクリニックでは脳梗塞(脳卒中)に対し、MRIやCTを用いた画像診断などで早期診断を行います。
脳腫瘍
神経系の腫瘍のうち、髄膜腫(ずいまくしゅ)などの良性腫瘍については外科手術としての開頭腫瘍摘出術があり、膠芽腫(こうがしゅ)などの悪性腫瘍については外科手術に化学療法・放射線治療・免疫療法などが加わります。これらの腫瘍に加え下垂体腫瘍についても、おおいし脳・神経リハクリニックでは症状の説明を行い、他の医療機関へのコンサルテーションを行っています。
生活習慣病と「禁煙外来」「ダイエット外来」
おおいし脳・神経リハクリニックでは、脳神経機能の病気の原因とも関連する生活習慣病や糖尿病の方などへの生活指導や治療も行っています。
生活習慣病は飲酒や食べ過ぎ、喫煙、ストレス、運動不足など、生活習慣によって引き起こされる病気です。生活習慣と疾病との関係を正しく理解し、自分のライフスタイルを見直し、改善する意欲を高めます。
■禁煙外来
喫煙については、カウンセリングによる禁煙意欲を高めながら、ニコチン製剤や飲み薬を用い治療を行います。
■ダイエット外来
肥満に伴う健康障害でお悩みの方、とくに遺伝的な肥満や自分の体重により膝や腰に痛みを感じる方に対しては、食習慣やライフスタイル、運動量、生活パターンなどをカウンセリングによって分析し、食事療法や運動療法などの最適な治療法を提案します。